令和8年4月 警備業法施行規則の一部改正について
— 指導教育責任者の再講習期間が変更
警察庁は令和8年4月施行の省令改正により、警備員指導教育責任者および機械警備業務管理者の再講習の受講期間を見直すと発表した。全国約10,000の警備営業所に影響する改正であり、経営者は現任の責任者の受講時期を早めに確認する必要がある。本記事では改正のポイントと現場への影響を整理する。
改正の背景
警備業法では、各営業所ごとに警備業務の区分に応じた 警備員指導教育責任者 の選任が義務付けられている(警備業法第22条)。責任者は選任後、一定の期間ごとに都道府県公安委員会が行う再講習を受講しなければならない。今回の改正は、この再講習の受講期間を見直すものである。
改正の背景には、警備業務の高度化・多様化にともない、最新の法令や現場のトラブル事例、ハラスメント防止・労働安全衛生に関する知識を、責任者が継続的にアップデートする必要性が高まっていることがある。警察庁は意見募集の結果を踏まえ、受講期間の短縮と講習内容の刷新を同時に進める方針を示している。
改正のポイント
今回の改正で特に実務に影響するのは、以下の3点である。
- 再講習の受講期間が短縮:従来の「選任日から5年以内」が「3年以内」に短縮される見通し
- 講習内容にハラスメント防止・労働安全衛生が追加:これまで任意だった内容が必修項目に
- オンライン受講の一部容認:座学部分については都道府県公安委員会が認めた範囲でオンライン受講が可能に
警備業法施行規則第38条の改正により、警備員指導教育責任者講習のうち再講習については、その選任日から起算して3年を経過する日までに受けなければならないこととする。 — 警察庁 生活安全局 保安課(改正案より抜粋・要約)
経営者が今すぐ確認すべきこと
改正が施行される令和8年4月以降、既存の指導教育責任者が未受講のまま期限を超えると、法令違反として行政指導・処分の対象になる可能性がある。特に複数営業所を持つ中小警備会社では、責任者ごとに選任日と直近の受講日をリスト化し、期限管理を徹底したい。
チェックリスト
- 各営業所の指導教育責任者の氏名・選任日を一覧化する
- 直近の再講習受講日と、次回の受講期限(新基準では3年後)を確認する
- 今年度中に受講予定者がいる場合、都道府県警備業協会の講習スケジュールを確認する
- 新規選任の場合は、新任講習と再講習のどちらが必要かを確認する
この改正は単なる期間短縮ではなく、「責任者が常に最新の知識を持っていることを法的に担保する」という方向への一歩です。受講期限を超過してしまうと、その営業所は責任者不在の状態とみなされ、営業停止や指示処分の対象となるリスクがあります。責任者の年齢構成と受講履歴を台帳化し、半年ごとに確認する運用を強く推奨します。
施行までのスケジュール
警察庁は4月の政省令公布を経て、猶予期間を設けた上で段階的に施行する方針である。現行で選任されている責任者については、経過措置として改正施行日から2年以内に新基準での再講習を受講すれば、その時点から新基準での次回期限がカウントされる見込みだ。
また、都道府県公安委員会が認める指定講習機関(都道府県警備業協会など)については、今後、講習カリキュラムの刷新・オンライン対応環境の整備が求められることになる。各社は地域協会の情報発信を注視したい。
まとめ
警備業法施行規則の今回の改正は、経営への直接的なコスト負担こそ大きくないが、管理業務としての確実な期限管理 が求められる内容である。責任者の受講遅延を防ぐための運用整備、そして講習内容の刷新に合わせた社内教育の見直しが、今後の行政検査対応のポイントとなるだろう。警備総合ナビでは引き続き改正の動向と指定講習機関の対応状況を追跡して報告していく。
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